JIMTOF2024 出展内容紹介(来場者限定公開)

第32回日本国際工作機械見本市

振動モニタリングユニット dB-2 (JIMTOF2024期間 限定紹介ページ)

加工状態の良し悪しを知る手段として加工音があります。
サクサクとした快削の加工音が出ているか、唸り音やびびり音が出ていないか等は重要な情報です。
音と振動の現象は同源のため、従来機械オペレータが音色を聞いて加工状態を判断していたように、加工振動をセンシングして加工状態を数値化します。
加工振動からは、振動量の強弱だけでなくデジタル化してフーリエ級数展開し、周波数スペクトラム(分布図)に置き換えて周波数毎のレベルを見ることにより、振動の意味が理解でき、今まで見えていなかった現象が、数値で正確に表れてきます。
加工法に合わせた3つの機能から、潜んでいる課題を抽出し問題解決にご活用ください。



工作機械組み込み型加工モニタリング装置dB-2

工作機械組み込み型加工モニタリング装置dB-2Ver4.5



 可搬型モニタリング装置 dB-2Portable

可搬型モニタリング装置 dB-2Portable


1.お客様をがっちりサポートする3つの機能


1.ミリング機能


■ 周波数スペクトラムでリアルタイム振動解析
■ 加工状態を判り易く5色で分類表示


  • トータルパワーG2で診断→切削振動の強弱を表す
  • 周波数スペクトラムf(t)解析→加工時の最新周波数を0.1秒毎に表示
  • 刃先通過起因の振動(TPF)をベースにTPFとNon-TPFを比較診断(独自機能)
  • 切削状態を周波数特性によって色区分表示
  • ※ TPF:(Tool-PassingーFrequency)(Hz)= 主軸回転数rpmx刃数÷60


2.びびりアナライズ機能


■ 安定領域を見つけ出し工具の持つポテンシャルを最大限に引き出す


  • ハンマリング不要で簡易安定ポケットを描画
  • びびり抑制で品質/生産性を向上
  • 工具寿命をUPさせ、工具費削減に貢献
  • びびり検出で回避回転数を演算表示
  • 機外へI/O端子からオーバライド値を出力

3.ドリリング機能


■ サーボモータ負荷トルクでドリル加工を診断
■ 主軸負荷解析による工具摩耗監視に加えX/Y軸振れ検出による工具欠損を検知


  • 主軸モータ負荷上限検知により工具摩耗(寿命)を監視
  • X/Y軸波形をBPFやRDFにより振れを監視し工具欠損に加え、ホルダ切粉嚙みによる加工径大を検出
  • ※BPF:バンドパスフィルタ、RDF:回転デジタルフィルタ


 Function1.ミリング機能 
      「多刃振動の周波数は、加工現象と結びついている」


1.交通シグナルのごとく加工状態を5つの色彩表示識別


加工振動の生成に合わせて識別し、それを色別に表示する方法が右図の表示です。              
 ・主軸の回転振動により発生するSRF振動を緑色
 ・工具通過振動の基本波のTPF1を青色
 ・その他のTPF高調波を水色
 ・回転数起因ではない振動のNon-TPFを黄色
 ・Non-TPFの内、びびり成分を赤色
  にてわかりやすく切削状態を表示します。
 ※SRF:(Spindle-Revolving-Frequency)(Hz)= 主軸回転数rpm ÷ 60
 ※TPF:(Tool-PassingーFrequency)(Hz)= 主軸回転数rpmx刃数÷60



ミリング画面の加工振動のトータルパワー窓[右上図]では、切削加工振動を時系列の強弱でリアルタイム性を持って表示し、加工の状態が判ります。
右中段の周波数スペクトラム窓では、各区分時間における加工振動の周波数を表示します。              
画面には最新周波数[0.1秒毎の更新]を表示します。
いずれも予兆しきい値と上限しきい値が設定でき[別途設定画面あり]それぞれの状況に合わせてリマークとアラームのラインを設定できます。
しきい値越えの振動が出た時はリピートカウンタを通じて、アラ―ム信号を外部出力することで異常を知らせます。
任意の周波数スペクトラムのパワーを比較することで状態を監視します。
例えば、良い状態の工具では快削時にTPF振動のみが出ますが、欠損等で刃当たりのバランスが悪くなるとSRF振動も加わるため、SRFn/TPFnの比を見ることで工具や加工の状態を推察できます。
周波数の出方を比で見ることで加工の状態が推察出来ます。   



2.振動をフーリエ変換、周波数で見る事が一番!「TPF」で 加工状態を解析・診断


加工振動をその振動の強弱やトーンだけでなく、それをデジタル化してフーリエ変換した周波数として扱うと、加工音で聞くよりももっと繊細で正確な識別ができます。


多刃のエンドミルを用いて加工をする場合、加工ワークに刃先が当たる工具の通過周波数(TPF)(Tool-Passing-Frequency)(Hz)が明瞭に出ます。
工具の通過周波数(TPF)は、主軸回転数rpm × 刃数 ÷ 60 =  基本波(TPF1)で得られます。
さらに加工振動では、TPF周波数だけでなく、この整数倍の振動が高調波として出ます。
2倍の高調波であれば、基本波TPF1×2=TPF2、3倍であれば基本波TPF1×3=TPF3です。
n倍波の高調波をTPFnと呼びます。
これら振動を総和したものを「TPF振動」としています。






Function2.びびりアナライズ機能
振動よりびびり回避の安定ポケットを算出


切削加工において、もっとも厄介なものが再生びびり。再生びびりは、自らの固有振動数で生じる振動の位相が何かのトリガー原因でシフトする事で生じます。
機械とツーリングに剛性と減衰性があればびびり振動周期をTPFの逓倍に合わせるようにすれば、びびりは、避けられます。                                       
近年は刃工具の特性が上がり、高速加工における再生びびりの対応策として「安定ポケット法」が多くの人に知られています。
dB-2やDPUでは、びびりが生じた振動周波数を捉え、最適な回転数を即算出し、安定ポケット線図を描画するびびりアナライズ機能を付加しました。

リアルタイムにびびりを捉え、安定域を表示



経時変化する加工振動の強弱度合いとその振動を周波数スペクトラムで監視をします。
測定がスタートしますと、加速度センサにて加工振動を取り込み、周波数スペクトラムの中より再生びびりとは関係のないTPFとその高調波TPFn振動を除去し、その他の振動数より、しきい値超えをしたピーク周波数をびびり振動であるとして捉えます。
事前に設定したパラメータおよびしきい値より、正常加工とびびり異常のモニタリングを行い、びびりと検出した場合、それを表示するとともに、併せて安定ポケット法によるびびり回避回転数を演算表示します。
びびりの検知だけでなく、その対処回転数も演算表示する大変有効性が高い機能です。
また、その有効性を確認後、回転数を自動で変更指示する、機械側へのフィードバック用オーバライド信号出力機能を標準で装備しました。 
これにより加工機への自動制御も可能となります。
※オーバーライド制御:  自動フィ―ドバックする場合は、機械側に直接配線接続ができるように、改造しておく必要があります



Function3.ドリリング機能 設備のサーボモータ監視


主軸回転から生じるSRF(Spindle-Revolving-Frequency)をX軸・Y軸のサーボモータから検知することにより、ドリル・リーマの欠損検知や、ATC時の2面拘束端面への切粉嚙みによる振れ(径大)を検知します。
X軸もしくはY軸のサーボ波形をBPF(バンドパスフィルタ)処理し振れ成分のみ取出し二乗和して判定する、積算機能や、X/Y軸から円軌道の半径のスペクトル密度にて判定する、回転デジタルフィルタ(以下RDFと呼ぶ)機能を搭載しています。
ドリル加工時、正常な切削の場合は両刃に均等な力が掛かり、2刃のバランスが取れていますので回転方向に振動が発生することはありません。
しかし刃先が欠損した場合には、力のつり合いが取れないインバランス状態となり、SRF(回転周波数)振動が発生します。




加工状態に影響が出るぐらい刃先が欠損した場合や工具が摩耗した場合には、切削抵抗増により、主軸・Z軸方向への負荷にて検出できます。しかし、微小チッピングや、ATC時の2面拘束端面への切粉嚙みなどは、主軸負荷では検出できません。
そのため、X軸/Y軸のサーボ情報(トルク指令値:TCMD、クランプ式電流センサ)をBPF処理して振れ成分を抽出したりRDF処理をすることで、振動系のセンサを用いることなく、サーボモータの負荷から、異常な振れを検知できます。
また、X軸/Y軸の波形をリアルタイムにフーリエ変換し、SRFのスペクトル密度を監視することにより、リアルタイムに異常を検出する機能も搭載しています。(加工時間が1秒未満の場合は検出精度が低下します)


【注意事項】


  • ファナック社製OpenCNC 0i、30iより以降の機種であれば、設備LANにケーブルを接続し、FOCASライブラリ情報を取得することで使用可能となります。
  • CNCのFOCASからは、主軸回転数、各軸のポジション情報を取得します。ドリル加工の場合は、Z軸ポジションにより、1msec以内の正確な判定位置合わせができ、判定誤差を低減できます。
  • 0i、30iより以前の機種の場合は、トルク指令値(TCMD)が、取得できませんので、 クランプ式電流センサによる電流値監視により負荷監視を行います。

dB-2 スタンダード標準納入仕様(制御盤内組み込み型)




・有線加速度センサ接続チャンネル端子数:2ch  …但し、加速度センサ1ヶ付属
・マイク接続端子数:1ch…マイクはオプション
・アナログセンサ入力端子数:7ch…クランプ式電流センサ用(センサはオプション)
・マシンNC情報入力端子数:LANコネクタ端子付


標準納入品


・操作画面 :12.1インチ タッチパネル付モニタ(別売)       
・加速度センサ(アンプ内蔵型)   (標準納入仕様:1ヶ付属)
  電圧感度 10mV/m/s2 (設定画面で変更可能)
測定可能周波数範囲 :  10 Hz~10000Hz
    上記範囲内での周波数範囲の切替えは可能
  加速度センサ用ケーブル5m付属


主な機能[ソフト]


・監視機能:Milling・Drill・Chatter・Comparison、View(パラメータ設定画面、分析画面)
    ・加工結果の監視判定:赤、黄、青、緑の色彩グラフ表示
    ・加工振動強度をグラフで表示(トータルパワー)
    ・周波数分析結果をグラフ表示(周波数スペクトラム表示)
    ・びびり検出・安定ポケット線図描画・外部出力
             ・2パラメータの比較表示:TPFとNon-TPF等の比較演算結果をグラフ表示
    ・自動しきい値:加工負荷の変化に応じたしきい値の自動追従監視、または過去の加工データに基づくしきい値監視
・FOCASライブラリを利用してファナック社製OpenCNCから実回転数などの機械側情報の読み出し
     ・監視結果をCSV形式のLogファイルで保存、出力  監視の記録
         監視中のトータルパワー、しきい値判定、周波数スペクトラム データを、タイムスタンプ付で
  CSV形式で保存します。上位IT機器へと転送でき、別途PCなどでの解析や保管が出来ます。
・NCのシーケンス番号読み込みによる、監視START/STOP制御
(デジタルI/Oによる、監視START/STOP制御とアラーム出力)


スペック


・寸法:本体 W:273mm × H:78mm × D:154.2mm
       モニタ W320mm × H230mm × D60mm
      (コネクタなどの突起は含まず)
・操作画面:12.1インチタッチパネル付モニタ(別売)XGA(1024x768)
・重量 : 本体:1.5Kg モニタ:1.0kg
・CPU   :  Celeron
・記憶装置  :  240GB SSD
・OS     : Windows 10 IoT Enterprise
・メモリ容量   :   8GB


・電源用コネクタ付属 DCジャック(DC24V)
・モニタ用HDMI、USBケーブル付属(5m)
・NCとの接続は LANケーブル
(ファナック製OpenCNCに対応:FOCASライブラリを利用)
・USBコネクタ端子(USB3.2 Type-A)付き
・有線加速度センサ入力2ch付(センサ1ケ付属)
・マイク端子1ch付
・アナログセンサ入力7ch付(D-sub15pin)     
  入力レンジ:±10V(入力電流:max0.1A(100Ω抵抗付)) 
  ADC分解能:16bit


dB-2 Portable標準納入仕様(ノートパソコン型)



左:I/Oユニット、中央:加速度センサー入力アンプ、右:電流センサー入力アンプ


・有線加速度センサ接続チャンネル端子数:2ch  …但し、加速度センサ1ヶ付属
・マイク接続端子数:1ch…マイクはオプション
・アナログセンサ入力端子数:7ch…クランプ式電流センサ用(センサはオプション)
・マシンNC情報入力端子数:LANコネクタ端子付


標準納入品


・操作画面 :12.1インチ タッチパネル付モニタ(別売)       
・加速度センサ(アンプ内蔵型)   (標準納入仕様:1ヶ付属)
  電圧感度 10mV/m/s2 (設定画面で変更可能)
測定可能周波数範囲 :  10 Hz~10000Hz
    上記範囲内での周波数範囲の切替えは可能
  加速度センサ用ケーブル5m付属


主な機能[ソフト]


・監視機能:Milling・Drill・Chatter・Comparison、View(パラメータ設定画面、分析画面)
    ・加工結果の監視判定:赤、黄、青、緑の色彩グラフ表示
    ・加工振動強度をグラフで表示(トータルパワー)
    ・周波数分析結果をグラフ表示(周波数スペクトラム表示)
    ・びびり検出・安定ポケット線図描画・外部出力
             ・2パラメータの比較表示:TPFとNon-TPF等の比較演算結果をグラフ表示
    ・自動しきい値:加工負荷の変化に応じたしきい値の自動追従監視、または過去の加工データに基づくしきい値監視
・FOCASライブラリを利用してファナック社製OpenCNCから実回転数などの機械側情報の読み出し
     ・監視結果をCSV形式のLogファイルで保存、出力  監視の記録
         監視中のトータルパワー、しきい値判定、周波数スペクトラム データを、タイムスタンプ付で
  CSV形式で保存します。上位IT機器へと転送でき、別途PCなどでの解析や保管が出来ます。
・NCのシーケンス番号読み込みによる、監視START/STOP制御
(デジタルI/Oによる、監視START/STOP制御とアラーム出力)


スペック


・PCは以下スペック以上が必要です
Windows10以上
メモリ:8GB
CPU:Celeron(4コア)
空きストレージ:1GB(インストールのみ)


外部インターフェースはオプションです
■電流センサー用アンプ
・入力:2CH、サンプリング周波数22kHz(10kHzまで分析)
・対応加速度センサ:DC24V内蔵アンプ型加速度センサ
・電源:マイクロUSBバスパワー
■加速度センサー用アンプ
・入力:7CH、D-sub15pin(1-2ペア、3-4ペア、・・・13-14ペア)
・電源:マイクロUSBバスパワー
■IO-BOX
・入出力:24VデジタルI/O
・電源:マイクロUSBバスパワー